5分で読める|物流業界の2024年問題って?ドライバーの労働時間?弁護士×企業実務×労働法

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労働法研究者・弁護士・草の民のこたつの中の人です。

働く人・雇う人に向けた記事を発信しています。

ふつうの企業でヒラ&管理職として働いた経験もあり、働く人の目線×企業経営の視点×専門・先端の知見を使って書いているので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

この記事では、「物流業界の2024年問題」と呼ばれている問題について、さっくり全体像を解説します。
運送業の会社以外にも大いに影響する問題ですので、雑学的に知っておいて損はないと思います。

※記事を更新した時点での一般的な内容・知見に基づいており、閲覧された時点によっては情報が古くなっている可能性があります。また、具体的な事情や状況も一人一人異なります。そのため、この記事は勉強や参考としてご覧いただき、実際に行動を起こされる際には弁護士等に具体的にご相談ください。
※この記事の内容は、著者個人の見解であり、著者が所属する(あるいは過去に所属していた)機関とは無関係です。

目次

物流業界2024年問題は何が問題?

2024年「問題」というからには、何かしら悪いことが起きるので解決しなければいけない、そんな感じですよね。

2024年問題の問題とは、

2024年4月1日からドライバーの労働時間が短くなること

です。

1月1日からではなく4月1日から。
ドライバーというのは、運送業の会社に勤めるドライバーの方です。
運送会社の従業員ということですね。

では、労働時間が短くなることがなぜ問題なのでしょう?
働き方改革とか言ってた(今も言ってる)のに。

物流業界というか、運送業は長く人手不足状態が続いています。
そのため、ドライバー1人1人労働時間が長く、長時間労働となりがちです。

つまり、今でもかなりギリギリな状態ということです。

その状態でドライバー1人1人の労働時間が短くなると、輸送の需要に労働量が追いつかない事態が生じかねません。

もしそうなってしまうと、例えば、次のような影響が考えられます。

・現在輸送にかかっている時間よりも長い時間がかかる(一般の会社にとっての影響)
 →荷物を依頼する会社の事業が停滞する、今よりも余裕をもって輸送を依頼する必要がある(業務フローの見直し)
  輸送を引き受けてもらえない荷物が出てくる
・輸送関連のサービスダウン(消費者にとっての影響)
 →例えば、即日・翌日配送が受けられない
・運送会社は引き受けられない荷物が出てくるなどして売上が下がる
 →結果としてドライバーの賃金も上がらず人手不足が解消しない(悪化する)という悪循環

「2024年問題」とは、ドライバーの労働時間が短くなり、物流業界の労働量が減ってしまうことで生じる様々な悪影響のことです。

2024年問題の原因

では、なぜ2024年問題が起きるのでしょうか。

それは、次の2つが原因です。

①労働基準法の改正による時間外労働の上限規制がドライバーにも適用されるようになる
運転手用の特別な労働時間規制改善基準告示)が現行のものより厳しく改正され適用されるようになる

この2つは要するに、法律の規制が厳しくなることでドライバーの働ける時間が短くなるということです。
※時間外労働の意味について、詳しく知りたい方はコチラの記事をぜひ。一般的な言葉では「残業時間」というイメージで大体はOKです。

法律の決まりですから、運送業としては無視することも難しく、荷物の輸送を依頼する人・企業や荷物を受け取る人・企業にも影響が出るわけです。

少しだけ、改正の内容も見ておきます。

2024年3月31日まで2024年4月1日以降
年間の時間外労働の上限なし年間の時間外労働は960時間まで
労働時間(車両を運転している時間や荷待ちの時間など)と休憩時間の合計は、1日最大16時間労働時間(車両を運転している時間や荷待ちの時間など)と休憩時間の合計は、1日最大15時間
勤務と勤務の間は、8時間以上あけること勤務と勤務の間は、基本11時間以上あけること
(11時間あけられない場合でも9時間は必ずあけること)

わずかな差に見えるかもしれませんが、すでに労働時間としてはギリギリの場合もあり、楽観視はできません。
2024年問題の引き金になる可能性は十分あります。

運賃の適正化や再配達の削減など、社会全体で考えていかなければならない課題です。

その意味では、「2024年問題」と名付けることは決して大げさではないのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました!

こたつの中の人
弁護士です。労働法研究者(博士号持ち・大学に在籍中)でもあります。コンサルティング会社に社内弁護士として勤務したこともあり、企業の人事・労務に関する相談を2000件以上受けてきました。企業の気持ちを理解しつつ確かな理論を示して、会社の「雇う力」と働く人の「満足」を追求する「Quality of Work」向上を支援しています。
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