【あなたの仕事は?】社内でのキャリア変化はこうして起こる|労働法専門弁護士の解説

突然ですが、

あなたの仕事は何ですか?

…働いている人であればすぐに答えられるのではないでしょうか。
製造、営業、飲食でバイトなどなど、いろんな答えが返ってくると思います。

ですが、あえて問おう。
それって、今の仕事ですよね?
過去もそうでしたか?今後もそうですか?

キャリアとは「自分の役割」や「積み重ねてきた役割」のこと。
つまり、過去も未来も含んだ言葉なんですね。
そして、「変化」を意味する言葉ともいえるでしょう。

この記事では、会社に勤める人のキャリア変化がどのような仕組みで起こるかについて解説します。
それを知ると、「雇われて働くとはどういうことか」の一部もわかると思うので、今後の選択にちょっとは役立つ…と嬉しいです。

こんな人に読んでほしい

  • 今の仕事になんとなく不安や不満がある人
  • 就活中の人
  • まだ就職も就活もしていない人
  • 雇う側の人
目次

キャリアの変化が起こる時

会社に勤めていると、仕事における役割の変化が色々なタイミングで起こります。

代表的なキャリア変化のタイミング

①異動
→大きなものから小さなものまで、所属する部署やチームが変わることで仕事内容や役割が変わります

②転勤
→仮に部署は同じだとしても、働く場所や接する人が変われば仕事内容や役割も変わります

③昇進
→仮に部署も働く場所も同じだとしても、立場が変われば仕事内容や役割も変わります

④上司の指示や命令
→異動・転勤・昇進といったイベントがなくても、上司の指示によって仕事内容や役割が変わります

他にもありますが、この記事ではこの4つの法律的な仕組みについて解説します。

異動・転勤

まず、異動と転勤ですが、大枠は同じ仕組みで行われます。
なお、ここからは、異動=職務内容の変更、転勤=就業場所の変更ということで進めます。
※職務内容とは、自分が仕事として取り組むべき役割や事柄です。通常、所属する部署や課といった組織ごとに大枠が決まっており、その中でさらに従業員個人に割り当てられる具体的な内容が決まります。
※就業場所は、自分が仕事をすべき場所のことです。工場だったり本社だったり支社だったりします。最近話題の在宅勤務は、自宅がその場所ということです。

職務内容・就業場所変更の仕組み

①職務内容・勤務地の変更があり得ることを契約で取り決める
→これによって、会社は、あなたの職務内容や就業場所を変更する権利(権限)を獲得します

②会社が、職務内容・就業場所を変更する権利を使う
→権利は使うも使わないも、その権利を持っている人の自由です。会社は、あなたに対して権利を使いたいと思えば使います。

非常にシンプルで、会社が権利を持っていれば、あなたの職務内容や就業場所は会社の思い通りに変更できます。

しかも、この権利、会社は簡単に獲得できます。
就業規則に書くだけ。
※就業規則というのは、会社が作る、働く条件などを書いた書面のことです。基本的に、会社が好きなように作ることができます。

本当はもっと説明しなければならないことがありますが、とりあえず、異動も転勤も会社はほとんど自由に行えるということにして進みます。

昇進・指示・命令

昇進はもっと会社の自由です。
就業規則に書いておく必要すらありません。
※昇進は、例えば、係長が課長になるといったように、所属している組織内のポジションが上がることです。

指示や命令も基本的にはそうですね。
その会社で働くこととなった(=労働契約を締結した)ときから、あなたに指示・命令を出す権利を会社は持っています。
特別なことは何もいりません。

会社の中でのキャリア変化は会社次第

こう見ていくと、会社の中で仕事をするにあたって、

どこで・何を・どのように・どんなチームで行うかは会社次第

だということがわかります。

これをどう受け止めるか。それが「雇われて働く」ことの本質のひとつでもあります。

会社に雇われる以上、会社次第でキャリアが決まり、積み重ねられていくことは避けられません。
もちろん、会社や上司、環境に恵まれて、ほとんど望み通りのキャリアをおくることもあるでしょう。
あるいは、「思ったのと違ったけど、やってみたら天職だった」ということも起こるかもしれません。

これらはある意味会社のおかげ(もちろん、本人の努力が一番ですが)でもありますが、厳しく言えば、単なる「偶然」です。
「たまたまいい職場だった」だけであり、今後もそうという保証はありません。
上司や一緒に働くメンバーが変わったら、経営の調子が落ちたら、自分の価値観やプライベートの状況が変わったら…

仕事を自分で見つける必要がない(与えられた仕事を行えばお給料がもらえる)というメリットがあります。

「雇われて働く」ということは、このメリットと、キャリアが会社に大きく左右されるという制約とをトレードしていると言えます。
良い・悪いではなく、そう知った上でどうするか、どう思うかが重要です。

雇われる前にはそのことを考えてほしいと思いますし、雇う側としては従業員のキャリアを握っていることを意識することが大事になってきます。
どうすれば可能な限り望む仕事を提供できるのか、あるいは、仕事や会社自身を魅力的だと思ってもらえるのか、その模索が求められてきています。

あなたの仕事は何ですか?
それは会社があなたに与えたと思っている仕事と同じですか?

ここが揃っていることがはじめの一歩かもしれません。
ちょっと考えてみてください。

読んでくださりありがとうございました!

こたつの中の人
弁護士です。労働法研究者(博士号持ち・大学に在籍中)でもあります。コンサルティング会社に社内弁護士として勤務したこともあり、企業の人事・労務に関する相談を2000件以上受けてきました。企業の気持ちを理解しつつ確かな理論を示して、会社の「雇う力」と働く人の「満足」を追求する「Quality of Work」向上を支援しています。
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