【カオスな就活】真っ白になってませんか?労働法専門弁護士が語る就活の落とし穴

疑問に思ったことはありませんか?

就活で、なぜ学歴を書かなければならないのか、なぜ志望動機を聞かれるのか、なぜガクチカを用意しなければいけないのか…。

なぜ、内定なんてめんどくさい言い方をするのか(合格!入社決定!採用!とか言ってくれたらいいのに)。

この記事では、日本の就活で一体何が重視されてきたのか、そのために犠牲になったものは何か、を解説します。

こんなあなたに読んでほしい

  • なんとなく「就活」が不安な人
  • 学歴より「今」を見てほしい人
  • 就活で「自分らしくないな」と感じた人
目次

実はカオスな就活

「就活」は「就職活動」の略です。
そうすると、就職するための活動は全部「就活」に含まれるわけですね。

ただ、実際には、大学生(大学院生)が

在学中に行う就職活動

を指して「就活」と呼んでいることがほとんどだと思います。

在学中を強調したのは、そこに就活のカオスが詰まっているからです。

カオスなポイント

①在学生が対象(つまり、既卒者は別)
→なぜ、仕事経験が(あまり)ない勉強本職の在学生を採用するのか?

②就活のタイミングが横並び
→なぜ、同じような年齢・経歴・状況の人ばかりから選抜するのか?

③在学中に内定が決まる
→卒業するまでどうするのか?

もっとあるような気もしますが、①・②は、

「そんなんじゃ選べなくないですか?」

という素朴な疑問です。

仕事経験がない、みんな大学生、みんなハタチそこそこ…自社に貢献する人かどうかをどうやって見極めているのでしょう?
どんな能力やスキルを持った人が必要かは、企業によって違いますよね?
不安しかありません。

③は、仮に卒業できなかったらどうするのか、想定していない状況の変化(例えば新型コロナ)が起こったらどうするつもりなのか…。
おそろしい。

就活は、

学生が企業に対して「採用してください」と申し込み、企業がそれに返事をして「契約を結ぶ」過程です。

契約はいったん締結するとそう簡単に解消できません。
だからこそ、学生の皆さんは「就活がうまくいくように」懸命に努力するわけですよね。

契約が解消できないのは企業側も同じなのに、なんかテキトーな気がしてきませんか?

真っ白を求めてきた企業

カオスなのは、

企業が「真っ白な人」を求めているから

です。真っ白な人が企業にとって大事なんですね。なぜか?

真っ白を求める理由

①自社の仕事に必要な能力・スキルは自社独自のもの
→日本企業は「自社流」の商品開発・生産を突き詰めてきた
→「自社流」を従順に身につける素直な人がほしい

②長年同じ人と働く
→人間関係を悪くされると困る
→自社の社風に馴染む人がほしい(その方が人間関係がこじれるリスクが少ない)

正確とは言えないかもしれませんが、イメージはこんなところです。

つまり、

俺色に染まってくれる人

こそ、企業に貢献してくれる人なのです。

そうすると、
・専門性不要(必要なものは入社してから教えます。ただし「自社流」ですが)
・仕事経験不要(必要なものは…以下略)
となるわけです。
これらはむしろ、「自社流」を阻む嫌なものなのです(そこまで露骨ではないですが)。

反対に、
・素直さ大歓迎(変な知識とか考え方とか持ってない方がいい)
・学歴はテクニック習得のために努力可能かどうかを測る有効な基準
です。

ただし、何を素直と感じるか、つまり、「どういう人が自社流に合いそうか」は企業ごとに違います。
志望動機とかガクチカとかは、そういった人を見分けるために聞くという意味合いがあります。
(こういうワードが入っていると自社に合いやすいとか、逆に合わない、とか)

そうするとやっぱり在学中(いわゆる新卒)の中から選びたいわけですよね。
若い方が素直だし、社会人経験がない方が染めやすいし。
※若いだけなら高校生も候補ですが、高卒採用はハローワークというところが口を出してくるちょっと特殊なものです。

みんな同じタイミングで就活している人の中から選抜するので、「採用と決めた人を囲い込む」ことが必要です。
そうしないと、他の企業に行かれてしまうからですね。
でも、働き始めるのは卒業後…その結果生み出されたのが、内定という仕組みです。

以上、ざっくりとしたカオスの生成過程です。

白さの犠牲になるもの

今の就活の仕組みが「全部ダメ」と言いたいわけではありません。
就活生にとってのメリットもたくさんあります。
一番大きいのは、仕事経験がなくても正社員として雇ってくれる可能性が結構高い、ということでしょう。
※海外では、若者の就職難はまぁまぁな問題だったりします。

一方、白さを求めるがゆえに犠牲になるものもあります。

無くしやすいもの

①専門性
 →学生時代に興味があった専門的学びが途絶える
②経験
 →学び以外に進んで行っていた経験が途絶える
③個性
 →自分の価値観や趣味・志向よりも「一般的にウケのいいもの」を

これらを、良いものも悪いものも全部まとめて漂白して真っ白にしたような就活をしなければならないわけです。

もちろん、全部が全部なくなるわけではないでしょうし、入社してから活かせることもあるでしょう。

でも、①〜③はその時点での自分を形作る要素です。
①〜③が組み合わさって自分が出来ている。

就活でそれをリセットしてしまうのは、ある意味でキャリアの断絶です。

キャリアというのは「自分の役割」のこと。
①〜③をそのまま伸ばして役割を果たすという世界線もあるわけですし、積み重ねてきた専門性や経験、個性はそれ自体が「自分のキャリア」です。

その辺はやっぱり、「もったいないな」と思ってしまうわけです。

企業も気付いているのでしょう。
①〜③を比較的重視するようになってきているようには感じます。

これから就活する方には、何より、①〜③を捨て去らないように気を付けてほしいです。

さっきも書きましたが、就活で見ているのは「自社と合うか合わないか」です。
内定が出なくても自分に問題があるわけではありません。

もちろん、就職するということが「他人と働く」ことである以上、「ありのままの自分を全てさらけだす」ことが正解ではないでしょう。
他人や就職した企業に合わせることも必要です。

自分と他人の要求とのバランスをうまく取ることが大事です。

結局よくわからないオチでごめんなさい。
ぜひご質問やコメントをください。

こたつの中の人
弁護士です。労働法研究者(博士号持ち・大学に在籍中)でもあります。コンサルティング会社に社内弁護士として勤務したこともあり、企業の人事・労務に関する相談を2000件以上受けてきました。企業の気持ちを理解しつつ確かな理論を示して、会社の「雇う力」と働く人の「満足」を追求する「Quality of Work」向上を支援しています。
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