【経営に活かす労働判例】マタハラ|妊娠に関係して行われた降格を無効とした最高裁判決|弁護士×企業実務×労働法

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労働法研究者・弁護士・草の民のこたつの中の人です。
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ふつうの企業でヒラ&管理職として働いた経験もあり、働く人の目線×企業経営の視点×専門・先端の知見を使って書いているので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

この記事では、妊娠に伴う法律上の措置(軽易業務への転換)と降格との関係を扱った最高裁判決を解説しています。
※平成26年10月23日に最高裁が出した判決です。

文字にすると難しそうですが、とりあえず、事案の概要を読んでみていただけると嬉しいです。
「こういうこと、ありそうだな」とか「似たような問題を抱えてる」とか、あるかもしれません。

妊娠・出産・育児に関係して人事異動を行うことは、降格じゃなくてもタブー視されつつあるように思います。
「妊娠・出産・育児と言われると企業は何もできない」というイメージもあるかもしれません。

この判決は、そのイメージがどこまで正しいのかを確かめる、ひとつの先例でもあります。
経営上も非常に重要な判決ですので、ぜひ最後までお読みください。
そして…重要すぎて2つの記事に分けさせてください(この記事は前編)。
すみません…
※「判断のポイント」から読んでいただいても意味があると思います。目次から飛んでください。

というか…この記事に限っては、判決文を正確に知りたい!というレアな方でない限り、

事案の概要を読んでいただいたら、判断のポイントに飛んでください(判旨が長すぎるのです…)。

※ここから先はできるだけ正確に書くために、「である調」にしています。苦手な方ごめんなさい。
※記事を更新した時点での一般的な内容・知見に基づいており、閲覧された時点によっては情報が古くなっている可能性があります。また、具体的な事情や状況も一人一人異なります。そのため、この記事は勉強や参考としてご覧いただき、実際に行動を起こされる際には弁護士等に具体的にご相談ください。
※この記事の内容は、著者個人の見解であり、著者が所属する(あるいは過去に所属していた)機関とは無関係です。

目次

事案の概要・判旨

事案の概要

 Yは、A病院(本件病院)など複数の医療施設を運営している消費生活協同組合である。

 Xは、平成6年に理学療法士としてYと期間の定めのない労働契約を締結し、本件病院のリハビリ科に配属された。

 Xは診療所等での勤務を経て、平成15年に再度リハビリ科に配属された。当時のリハビリ科では、患者宅を訪問してリハビリ業務を行う「訪問リハビリチーム」と本件病院内でリハビリ業務を行う「病院リハビリチーム」があり、Xは訪問リハビリチームに所属することとなった。平成16年4月16日、Xは病院リハビリチームに異動するとともに、リハビリ科の副主任に任じられた。

 Yは平成19年7月1日、訪問リハビリ業務をYの運営する訪問介護施設であるBに移管し、これに伴ってXはリハビリ科の副主任からBの副主任となった。

 Xは平成20年2月に第2子を妊娠し、労基法65条3項に基づき軽易業務への転換をYに請求。転換後の業務として病院リハビリ業務を希望した。その理由は、訪問リハビリ業務よりも身体的負担が小さいとされていることにあった。これを受け、Yは、同年3月1日、XをBからリハビリ科に異動させた。この異動当時、リハビリ科にはXよりも理学療法士としての職歴が3年長い職員が主任に就いており、病院リハビリ業務の取りまとめを行っていた。

 平成20年3月中旬ごろ、Yは、XをBからリハビリ科に異動させる際、副主任を免ずる旨の事例を発することを失念していたと説明し、その後、リハビリ科長を通じて、Xに再度その旨を説明。渋々ながらもXの了解を得た。同じころ、Xは、平成20年4月1日付けで副主任を免ぜられると、Xのミスのため降格されたように受け取られるので、3月1日に遡って副主任を免じてほしい旨の希望を述べた。

 以上の経緯から、Yは、平成20年4月2日、Xに対し、同年3月1日付でリハビリ科に異動させるとともに副主任を免ずる旨の辞令を出した(副主任を免ずる措置を「本件措置」という)。

 Xは、平成20年9月1日から同年12月7日まで産前産後の休業をし、同月8日から同21年10月11日まで育児休業をした。

 Yは、育児休業中のXから職場復帰に関する希望を聴取し、平成21年10月12日、職場復帰したXをリハビリ科からBに異動させた。当時、Bでは、Xよりも理学療法士としての職歴が6年短い職員が本件措置後まもなく副主任に任ぜられて訪問リハビリ業務を取りまとめていたことから、Xは再び副主任に任ぜられることはなかった。希望聴取の際、Xは、職場復帰後も副主任に任ぜられないことをYから知らされ、強く抗議し、本件訴訟に至った。

 Xの訴えの内容は、本件措置が均等法9条3項に違反する無効なものであり、管理職(副主任)手当の支払及び債務不履行または不法行為に基づく損賠賠償請求などである。

 高裁は、本件措置はXの同意を得た上で、Yの人員配置上の必要性に基づき裁量権の範囲内で行われたものであり、違反ではないなどとしてXの請求を棄却した。X上告受理申立て。

※裁判例の解説をするとき、訴えた人(原告)をX、訴えられた人(被告)をYと表現します。それぞれ複数いるときにはX・Yの後ろに番号をつけます。まとめるときには「Xら」・「Yら」と表現します。

判旨

結論:破棄差戻し(最高裁は、高裁の判断に誤りがあるとした)
以下、最高裁の判決を抜粋、要約したもの(太字、マーカーは筆者が引いています)

均等法「9条3項の規定は,上記の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり,女性労働者につき,妊娠,出産,産前休業の請求,産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは,同項に違反するものとして違法であり,無効であるというべきである。

「一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが,当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度,上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。

 そして,上記の承諾に係る合理的な理由に関しては,上記の有利又は不利な影響の内容や程度の評価に当たって,上記措置の前後における職務内容の実質,業務上の負担の内容や程度,労働条件の内容等を勘案し,当該労働者が上記措置による影響につき事業主から適切な説明を受けて十分に理解した上でその諾否を決定し得たか否かという観点から,その存否を判断すべきものと解される。また,上記特段の事情に関しては,上記の業務上の必要性の有無及びその内容や程度の評価に当たって,当該労働者の転換後の業務の性質や内容,転換後の職場の組織や業務態勢及び人員配置の状況,当該労働者の知識や経験等を勘案するとともに,上記の有利又は不利な影響の内容や程度の評価に当たって,上記措置に係る経緯や当該労働者の意向等をも勘案して,その存否を判断すべきものと解される。」

「Yは、妊娠中の軽易業務への転換としてのBからリハビリ科への異動を契機として、本件措置により管理職である副主任から非管理職の職員に降格されたものであるところ……患者の自宅への訪問を要しなくなったものの、上記異動の前後におけるリハビリ業務自体の負担の異動は明らかでない上、リハビリ科の主任又は副主任の管理職としての職務内容の実質が判然としないこと等からすれば、副主任を免ぜられたこと自体によってXにおける業務上の負担の軽減が図られたか否か及びその内容や程度は明らかではなく、Xが軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影響の内容や程度が明らかにされているということはできない。

 他方で、本件措置により、Xは、その職位が勤続10年を経て就任した管理職である副主任から非管理職の職員に変更されるという処遇上の不利益を受けるとともに、管理職手当の支給を受けられなくなるなどの給与等に係る不利な影響も受けている。

 そして……育児休業を終えて職場復帰した後も,本件措置後間もなく副主任に昇進した他の職員の下で,副主任に復帰することができずに非管理職の職員としての勤務を余儀なくされ続けているのであって,このような一連の経緯に鑑みると,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間中の一時的な措置ではなく,上記期間の経過後も副主任への復帰を予定していない措置としてされたものとみるのが相当であるといわざるを得ない。

 しかるところ,Xは,被上告人からリハビリ科の科長等を通じて副主任を免ずる旨を伝えられた際に,育児休業からの職場復帰時に副主任に復帰することの可否等について説明を受けた形跡は記録上うかがわれず,さらに,職場復帰に関する希望聴取の際には職場復帰後も副主任に任ぜられないことを知らされ,これを不服として強く抗議し,その後に本訴の提起に至っているものである。

 以上に鑑みると,Xが軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影響の内容や程度は明らかではない一方で,Xが本件措置により受けた不利な影響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである上,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していないものといわざるを得ず,Xの意向に反するものであったというべきである。それにもかかわらず,育児休業終了後の副主任への復帰の可否等についてXがYから説明を受けた形跡はなく……本件措置による影響につき不十分な内容の説明を受けただけで,育児休業終了後の副主任への復帰の可否等につき事前に認識を得る機会を得られないまま,本件措置の時点では副主任を免ぜられることを渋々ながら受け入れたにとどまるものであるから,Xにおいて,本件措置による影響につき事業主から適切な説明を受けて十分に理解した上でその諾否を決定し得たものとはいえず……自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するということはできないというべきである。」

「リハビリ科においてその業務につき取りまとめを行うものとされる主任又は副主任の管理職としての職務内容の実質及び同科の組織や業務態勢等は判然とせず,仮にXが自らの理学療法士としての知識及び経験を踏まえて同科の主任とともにこれを補佐する副主任としてその業務につき取りまとめを行うものとされたとした場合にYの業務運営に支障が生ずるのか否か及びその程度は明らかではないから,Xにつき軽易業務への転換に伴い副主任を免ずる措置を執ったことについて,Yにおける業務上の必要性の有無及びその内容や程度が十分に明らかにされているということはできない。そうすると,本件については,YにおいてXにつき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに業務上の必要性から支障があったか否か等は明らかではなく,前記のとおり,本件措置によりXにおける業務上の負担の軽減が図られたか否か等も明らかではない一方で,Xが本件措置により受けた不利な影響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである上,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していないものといわざるを得ず,Xの意向に反するものであったというべきであるから,本件措置については,Yにおける業務上の必要性の内容や程度,Xにおける業務上の負担の軽減の内容や程度を基礎付ける事情の有無などの点が明らかにされない限り……特段の事情の存在を認めることはできないものというべきである。」
 以上のように述べて、「特段の事情」があるか否か、特に、本件措置のYにおける業務上の必要性の内容や程度、Xの業務上の負担の軽減の内容や程度について、さらに審理すべきとして、高裁に差し戻した。

判断のポイント

軽易業務への転換は従業員が主導する

本判決を理解する上では、まず、XがYに対して要求した「軽易業務への転換」とは何かを確認しておく必要がある。

労基法65条3項は、「使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない」と定める。
この規定が「軽易業務への転換」と呼ばれるものであり、妊娠している女性および胎児の保護を図るための規定である。
違反には罰則もある(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)。

女性からの請求が必要とされており、妊娠を会社が知ったとしても、請求がなければ転換させる必要はない
むしろ、転換させてはならない。

請求が必要とされているのは、いかなる業務なら「軽易」なのかは従業員ごとに違うだろうし、転換によって業務以外の待遇(例えば賃金額)にも変化が生じる場合もあり、会社が勝手に転換させることは従業員の不利益となり得るためと考えられる。

そうすると、「軽易な業務」とは、原則として女性従業員が請求した業務と考えるべきである。
行政通達でもそのように理解されており、どんな業務に転換するかは女性従業員が決めることになる。

本判決では、Xが病院リハビリ業務への転換を請求しているため、Yはそれに従って病院リハビリ業務に転換させるほかない。
しかも、Xは転換を請求した時点で訪問介護施設Bに勤務していたが、介護施設であるBでは病院リハビリ業務を行なっていない。
そうすると、病院リハビリ業務にX を従事させるにはXを本件病院に戻さなければならず、本件病院のリハビリ科に転換されたこともXの請求内容を実現するためである。

これらは、労基法65条3項との関係でYに求められる対応であって、問題はない。

業務の転換と降格は別の問題ー労基法65条3項の外側

問題は、Xを本件病院のリハビリ科に戻すにあたり、Xの立場をどう設定するかである。

労基法65条3項は業務の転換について定めたもので、従業員の職場内での地位や職位(ポスト)を規律するものではない
つまり、YがXを病院リハビリ業務に就ける際、副主任の任を解いて非管理職としたことが違法か否かは、労基法65条3項からは決まらない。

この点は、男女雇用機会均等法(均等法)の9条3項が定める、「会社は、女性従業員が妊娠したこと等を理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない」というルールとの関係で問題となる。

均等法9条3項は、妊娠したことを理由とする不利益な取扱いのほか、妊娠や出産に伴う多様なケースを対象としている(対象となるケースは均等法施行規則2条の2に列挙)。
その中に、労基法65条3項の請求をしたことや軽易業務に転換したことを理由とする不利益取扱いも含まれている(均等法施行規則2条の2第6号)。
副主任を解くという降格が、労基法65条3項の軽易業務への転換を理由とするものであり均等法9条3項に違反する、というのがXの法的主張である。

法律論としては以上のようになるが、本判決の理由や結論とは別に、そもそもこの法律論自体が会社側に難しい対応を迫るものである。

本件を例にとれば、Xはもともとリハビリ科の副主任であったが、軽易業務への転換の際はBの副主任である。
そして、Xの請求を実現しようとすると、XをBから本件病院に移さなければならないのは先の通りであり、この時点でXを「Bの」副主任に就け続けることはできないことになる。

管理職がどのような立場なのか、どのような職責を担うのかは会社によってまちまちではあるが、「組織単位ごとに管理職を置いている」ことが一般的であろう。
要するに、営業部の部長と総務部の部長は、同じ部長という職位であっても全く別物なのである。
したがって、もし、営業部長Aを総務部に(総務部長としてではなく)異動させるのであれば、Aの部長職を解くことが当然の措置となる。
それに伴って、例えば、従来支給されていた役職手当が支給されなくなるなど、一定の不利益がAには及ぶ。
※だからこそ、日本の会社ではこのような極端な人事異動は生じにくく、いわゆる「左遷」のような状況が典型例となる。
※Aの不利益があまりに大きい場合などは、この降格が権利の濫用とされることもある。

本事案でも、Yは、「XはB勤務ではなくなるのだから、Bの副主任を解くのは当然」とだけ単純に捉えていたきらいがある。
しかも、B勤務でなくなるのはXの希望であり労基法の要請でもある。
また、渋々ではあっても、副主任ではなくなることについてXの了解も得ている。
これらからすると、YがXに対する一連の措置を問題と捉えなかったとしても、従来の一般的な会社人事からすれば無理からぬところがある。

副主任を解く降格は、軽易業務への転換とは別の考慮が必要な措置である」というのは、労基法65条3項のマイナーさとも相まって、非常に難易度が高かったのではないか。

本判決の経営上の示唆は、何をおいても、このことを気付かせた(明らかにした)ことにあるように思う。

妊娠や出産など均等法や育児介護休業法が働く場面では、その者のその後の職位や立場をどうするかも検討しなければならない。
安易な職位の変更は違法となる可能性がある。

経営に活かす

ここまでを整理して、経営に活かすべきポイントを挙げる。

まず、「妊娠中の女性従業員からの業務相談には丁寧に応じる」という意識を、人事だけでなく、現場の管理職含め社内で徹底しておくべきである。

軽易業務への転換をどのように行うか(方式)は指定がなく、口頭でも請求となる

そのため、例えば、「妊娠して体調があまり良くないので、業務の負担を軽くしてほしい」という相談も、転換の請求に該当する可能性がある。
また、「妊娠しているので、出張したくない」といった、特定の業務についての相談も同様である。

このような相談はまず、現場の上司が受けることが多いであろう。
しかし、労基法に軽易業務への転換が規定されていることは、その女性従業員も上司も知らないことがある(筆者の感覚では、ほぼ知らないのではないかと思う)。

すると、通常の業務相談と同じように上司が対応し、かつ、女性従業員としてもそれ以上踏み込まないということが起こる。
例えば、一時的に業務量の軽減を図るだけで終わる、女性従業員を説得して今まで通りの業務とする、といった自体である。

そのような対応が直ちに労基法違反を招くとは言えないが、労基法が軽易業務への転換措置を設けた趣旨には反している。
趣旨からすれば、妊娠している従業員から業務の相談があれば、「どのような業務なら可能か」「業務に対してどのような配慮が必要か」などを話し合いつつ、女性従業員の希望を具体化する必要がある。

できれば、「軽易業務への転換という制度が法律で決まっていて、基本的にあなたが希望する業務に移ることができる」と説明を添えておきたい。

上司が普段通りの対応をしてしまうと労基法違反となる可能性があるばかりか、女性従業員の健康悪化や胎児への悪影響、流産という最悪のケースに繋がるなど、労基法がまさに防ごうとした事態を引き起こしかねない。

そうなってしまえば、単に会社のリスクというだけでは済まず、関わった人々が取り返しのつかない苦悩を抱くことになる。

軽易業務への転換に限らず、妊娠や出産、育児に直面した従業員への対応は、全社的に行わなければならないと強く伝えたい。

また、軽易業務への転換など、妊娠等に関連して特別な措置を行なった場合、その措置に伴って変化する処遇を検討する必要がある。
この点は本判決の後半部分に関するため、後編で。

いかがでしたか?小難しく話して申し訳ありません。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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こたつの中の人
弁護士です。労働法研究者(博士号持ち・大学に在籍中)でもあります。コンサルティング会社に社内弁護士として勤務したこともあり、企業の人事・労務に関する相談を2000件以上受けてきました。企業の気持ちを理解しつつ確かな理論を示して、会社の「雇う力」と働く人の「満足」を追求する「Quality of Work」向上を支援しています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  •  均等法9条3項と流行りの「自由な意思」から広島の事件を見ていたので,労基法65条3項の観点が新鮮でした。それは,均等法9条3項と「自由な意思」において多種多様な要素が考慮されうるのに対して,労基法65条3項違反において「妊娠している女性および胎児の保護」という趣旨から相対的に限定されうる点です。そうすると,例えばキャリアについては,前者の視野から外れ,後者の視野にのみ存在することにもなるのかなと思いました。ただ,そもそも後者の視野にキャリアが入るのでしょうか。この点も気になります。大手のカード会社あたりで均等法とキャリアにかかる事件とかないでしょうかねぇ……

    • コメントありがとうございます。

      少なくとも労基法ができた当時はキャリアの視点なんてなかったですし、今も多分ないでしょうね…。
      均等法にあるかと言われると、それも怪しいような気もしますが…。

      キャリアという概念が抽象的すぎて、なんでも関連するように見えるのも良くないのかもしれませんね。

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